10月27,28日の午前中にDCEXPOと日本科学未来館の見学に行ってきました.ただ,合計4時間の見学では到底時間が足りず,そのすべてを観ることはできませんでした.
今回は見学できた中で印象に残ったものを書いていきたいと思います.
DCEXPO2016で一番印象に残ったのは,慶応義塾大学の「dePENd」です.机内に仕込まれた磁石をコンピュータで制御することでテーブルの上のボールペンを動かし,絵を描くというものでした.コンピュータに元々プログラムされた動きだけでなく,他の人が絵を描くペンの動きも自分のペンの動きに届けることができるというのはとても面白いと思いました.常日頃から絵を描いている東田さんの動きを届けてもらいましたが,アトラクションに乗っているのと似たような感覚がありました.特定の「動き」を遠隔地に届けるというのは今回他になかったと思います.一筆書きだけでなく,ペン先を机から離しても動きを追えるようになると他の人の絵を描くスキルを学んだり,ひらがなや漢字を覚えたりするのにも使えるのかなと思いました.
「Cross-Field Haptics」は電場と磁場を組み合わせて物体の表面の感触と動きを同時に表現するデバイスです.今回は心臓の動きでした.黒いバンドを持ちながら触ると,確かにざらざらとした感触が伝わってきました.部分によって拍動の仕方に違いがあり,とてもディスプレイを触っているとは思えない体験ができました.医療現場や教育現場での活用が期待されるとありますが,テーマパークなどで応用しても面白そうだと思いました.
「Holographic Whisper」は超音波を用いて何もない空間に点音源を設置する技術でした.従来のスピーカーは音を出している面から聞こえてきますが,これはスピーカーがある所ではない方向から音が聞こえてきます.DCEXPOに行く前に他学科の先輩にこのコンテンツの紹介を見せたところ,「お化け屋敷とかで使えそうだね」と言っていました.そのことを代表者さんに伝えると,「まさにそうです」と返事が返ってきました.お化け屋敷が苦手な自分としては,いきなり耳元で囁き声が聞こえてきたらと想像するだけで怖いです.
常設展示の方では,UNI-CUBの体験をしました.掴まるところがないので心許ない感じがしましたが,バランスの取り方に慣れるととてもスムーズに移動することができ,楽しかったです.美術館や空港などでの利用を考えているということでしたが,微妙な体重移動を必要とする乗り物なので,あらゆる世代の人が気軽に,とはいかないような気がします.普及してしまえばそんな心配も要らないのかもしれませんが.
UNI-CUBに乗って未来館を案内してもらっているときに驚いたのが,布で出来た柔らかい天井です.東日本大震災ではがれてしまった天井を直す際に,また落ちないようにさらに頑丈に硬くするのではなく,落ちても危なくないように柔らかい素材にするというのは素晴らしい発想だと思いました.
今回本当に時間が無く,常設展の方はほとんど見ることが出来ずとても残念でした.また時間を作って行きたいです.
DCEXPOの見学に行って,実際に体験するというのは大事ですし,そこからしか得られない感動や理解があるなと改めて思いました.とても楽しくてわくわくしました.自分も何かわくわくするものを作れればと思いました.