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Part9 #IVRC 結果発表とこれから(中村凌雅)

こんにちは。中村です。

今回はIVRC2017に応募した結果を記事にしようかと思います。

 

まず、どんな企画を応募したか一言でいうと、野鳥を観察する企画です。

この企画は、HMDを使わない立体視として、トリックアートから着想を得ました。

それを、野鳥観察と組み合わせたVRコンテンツになっています。

企画タイトルは、自由に選ぶことを意味する熟語「選り取り見取り」と、鳥を選んで見て撮るコンテンツ内容を掛けた「選り鳥見撮り」です。

企画書.pdf にまとめてあるのでよかったら見てください。

 

さて、応募した結果ですが、不合格でした。

素直に感想を述べると、悔しいです。

時間を割いて真剣に取り組んだ分、ショックが大きいです。

しかし、社会に出れば企画が通らないなんてことは何度も起こると思います。

今回の企画は選考落ちしましたが、学べることも多く、次回へと活かせるようにしたいと思います。

 

企画に対する審査員方のコメントを紹介したいと思います。

1,企画目的・体験内容に対し,技術がオーバースペックなように思います.特にディープラーニングやトリックアート,指向性スピーカなどの部分についてはもう少し単純な実装が考えられそうです.

2,提案を実装するための実験的な試みや先行研究を丁寧に行っており、体験が期待される。実装に向けて頑張ってほしい。

3,大変おもしろいのですが、人間にとって、10度という小さな角度だけ動くことはとてもむずかしい様に思います。体験のさせ方をもう少し考えてみてください。

4,実現すれば学校や博物館等で活用できそうなコンテンツである.
VR体験時は360度立体の鳥を観察できる一方で,持ち帰れる情報が完全に2次元に落とし込まれているという点で,コンセプトと提案手法が乖離している印象を受ける.
技術的難易度は上がるが,レンチキュラレンズを用いた立体視や,ゾートロープによる動的情報の提示など,比較的簡易にVR体験の名残を残すことができれば理想的である.

以上の評価をいただきました。

おもしろい、期待される、活用できそう、等の肯定的なコメントがあるので酷い企画だったっということはなさそうです。

また、改善案等も書いていただいているため、しっかりと企画を見ていただけたという実感があります。

 

否定的な意見としては、技術が難しい、オーバースペックといった意見や、コンセプトと提案方法の不一致があります。

スケジュールを考えているときも、これは本当にできるのか、と不安になりましたが、先生や文献を頼ればいけるだろうと甘く考えていました。

技術的な問題で、過密なスケジュールになっていたため、とにかく技術を盛り込めばいいというものでもないことに気づけました。

時間的に実現不可能に近い作品だったことも、落ちた原因の一つではないかと反省しています。

 

3のコメントでは、10度という小さな角度だけ動くことは難しいと書かれています。

この企画は、10度と制限された角度の中を動くものではないため、勘違いを引き起こす表現をしていた部分があったと考えられます。

企画書を読み直し、どこで勘違いを起こしてしまったかを探しました。

すると、体験の流れの中に、次の文章がありました。

「体験者が視線を向けると, 歩く, 羽ばたく, 毛繕い等の動作をする. 野鳥を観察する角度を10度ずらすと, 野鳥は30度回転する. そうすることで, 体験者は野鳥を360度, 自由に観察することができる.」

ここでは、鳥に対して10度ずれると鳥が30度回転し、30度ずれると鳥が90度回転する。

120度ずれる鳥が360度回転するため鳥をどの角度からでも観察できる。

ということを言いたかったのですが、伝わり辛い表現をしていたことがわかりました。

 

他にも多くの応募企画があるため、1つの企画に対してなかなか詳しく見ることは出来ません。

また、大量の文章を読んでいると読み飽きをしてしまうことも考えられます。

そのため、短い時間の中でも、斜め読みをしてもどのような企画なのかわかるような文章、表現を心掛けることや、思わず目を引くようなイラストで審査員を自分の世界に引っ張ることが大事だと感じました。

 

今回は、勘違いは起こってしまうこと、技術は盛ればいいわけじゃないこと、がとても印象深く残りました。

そのために、わかりやすい表現を意識して、作文力を高める。

企画のうちのシステムを限定して実装する。

例えば、どの角度から見ても立体的に見える、デジタルトリックアートなど実装する。

以上のことを実践し、これからに活かしていきたいと思いました。

Published in2017年度前期