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第二回 ”IVRC第14回大会2006年” 10年前のVRと今

学籍番号1423115 錦澤です。

今回IVRCに出展された作品を紹介したいと思います。

その前に・・・

IVRCとは何ぞや?というところから説明していきましょう!(・・・自分でもよくわかってなかった)

IVRCとは「国際学生対抗バーチャルリアリティーコンテスト(International collegiate Virtual Reality Contest)」のことで、学生が企画、制作したVR作品を競いあうコンテストのことです。日本科学未来館で毎年10月頃に決勝大会を行っています。”国際”とついているのはこの大会でLaval Virtual賞を頂くとフランスで開催されるヨーロッパでは最大のVRのイベントLaval Virtualへ招待されるからです。またLaval VirtualでIVRC賞というのもあり、IVRCに招待することも行っています。

まぁ、ここでごちゃごちゃ説明するより実際に見てもらったほうが早いですよね!(説明放棄) 以下にリンクを載せます。

ivrc.net/2016/(IVRCのHP)

ivrc.net/archive/(1993年~2015年の出展作品を掲載しています)

 

さてIVRC第14回大会(2006)の作品を紹介する前に、VRとは何なのか考えてみます。(作品の紹介はまだ)

 

VRということでイメージしやすいのは映画「マトリックス」とか小説/アニメの「ソードアートオンライン」ではないでしょか?

VR(Virtual Reality)とは仮想現実と訳されます。仮想という言葉を辞書で引くと、

( 名 ) スル

  1. 仮に想定すること。 「大地震発生を-した対策」
  2. 文法で,実際はそうでないことを前提として推量することを表す言い方。文語で,助動詞「まし」を付けて言い表す。

とありますね。1の意味で捉えると仮に想定した現実あるいは現実を模したものとなり、2の意味で捉えると実際にそうでないことを前提として推量した現実、空想や想像を現実にすることとなりますね。つまりVRとは現実にあるものを疑似体験させたり(1の意味)、現実にないもの(空想や想像)を現実感のあるものにする(2の意味)ということです。

実際に現実を作り出すことは不可能なので、現実の様なものを作るのが限界です。

これらのことをICTを用いて実現するのがVRの技術ということになりますね。

ディスプレイやアクチュエータ、センサを用いて、人間の五感に訴えかけることで現実感を出していきます。

1の例だと、ドライビングシュミレータやフライトシュミレータがあります。ソードアートオンラインとかはゲームをVRの題材にしているので2の例ですね。

一般にVRというと上記の二つの意味で使われることが多いと思います。

またVRにはHMDという機材がよく使われます。Oculus RiftやGear VRまたPlayStationVRなどがあります。これらはゴーグル型のディスプレイで、顔面に装着することで仮想空間への没入感を高めることができるということです。また全天球カメラという360℃撮影できるカメラが登場したことにより、HMDと合わせてあたかも自分がカメラの撮影場所にいるかのような現実感を得ることができる特徴があります。

HMDなどの機材は以前にもありましたが、どれも一般向けの機材ではなくマニアなど一部のコアな人にしか売れなかった(一般向けもあったが普及しなかった)。ですが2012年になってOculus Riftが発表されVR業界が興盛しました。主にゲーム分野でOculus Riftが用いられるようになったのです。その後一般向けのHMDが発表され、発売もれました。実際VRを体験できる機会は増えています。2016年3月にOculus Riftの一般向けが発売されました。ですので2016年をVR元年ということもあります。2016年のVR・AR業界の全市場規模は約50億ドルなので1ドルを120円と考えると約6000億円(ソーシャルゲーム業界は日本で約5600億円、世界規模では250億ドル)にもなると言われています。VRの市場規模は今後伸びることでしょう。また現在の利用分野は映画やゲームなどのエンターテインメント分野での利用が考えられているそうですが、10年20年先には医療や旅行、ショッピングなど様々な分野で活用されることが予想されます。

今後自宅で映画やゲームというコンテンツを用いてVR体験をすることが簡単になり、様々な人がそれを体験するでしょう。

上記でVRの意味とVRの将来を記述できたでしょうか?正直自分で書いていて頭が回ってきました。それだけVRを取り巻く環境は複雑に進化しているということです。上記のことをまとめると

  • VRは仮想空間を作りだしそれを体験すること!
  • VRはHMDというものがよく使われる!
  • VR産業は今後伸びていく産業!

ということですね。

長い前置きはこれぐらいにしてIVRC第14回大会(2006)の作品を紹介していきましょう。ちょうど今から10年前の大会ですね。10年前のVRの大会なので様々なVRコンテンツに応用されているものも少なくありません。

以下にIVRC第14回大会のレポート映像を載せます。

[ 総合優勝 ]

まじかるSPLASH

水柱

/ 北陸先端科学技術大学院大学

Laval Virtual 賞 受賞

splash

 

 

 

 

[ 岐阜VR大賞 ]

ビュー・ビュー・View 

Blue Elephant

/ 電気通信大学

view

[ 各務原市長賞 ]

REVES

ESIEA Ouest

/ ESIEA Ouest

reves

[  各務原市長賞 ]

ぐ〜るぐる

ザクノス

/ 北陸先端科学技術大学院大学

guruguru

[ 審査員特別賞 (グラフィック賞) ]

Virtual Scooter

ESCIN et Master MNRV

/ESCIN et Master MNRV

scooter

[ 審査員特別賞 (技術賞) ]

COGAME

MEGARS

/ 東京大学

cogame-460x310たて

[ フロムソフトウェア賞 ]

Chew!Chew!MouthInterface

Technical Term

/電気通信大学

chewchew

[ 明和電機社長賞 ]

新風感

新地下職人

/ 京都大学

リサーチフェスタ 金賞

shipuukan

[ 審査員特別賞 (功労賞) ]

Virtual Seesaw

SH Project

/ 情報科学芸術大学院大学

seesaw

あしゅら

アイアイオー

/ 東京工業大学

ashura

Sociable Dining Table

I.C.D.

/ 豊橋技術科学大学

diningtable

Planet of Grassland

Steppe

/ 奈良先端科学技術大学院大学

planet-460x310たて

らくがきえた

つーでぃー

/ 奈良先端科学技術大学院大学

rakugaki

[ 芸術賞 ]

CREATUREs : Tabby

植木淳朗

/ 慶應義塾大学

tabby

[ 技術賞 ]

Empty Box 2006

竹谷 康彦

/ 岐阜大学

empty

[ 未来観客賞 ]

Crossing Colorful Communications

小岩 亮太

/ 関西学院大学

colorful

KITAKAZE

小坂 祟之

/ 金沢工業大学

kitakaze

PhysicalDrawingPaper

横山 圭

/ 情報科学芸術大学院大学

drawpaper-460x310たて

百色園~Variegarden

黒田 尭利

/ 多摩大学

momoiro

遊んでくりえいと~A Sand-Create~

モグラーズ

/ 岐阜大学

sandcreate

 この中からいくつかピックアップしていきたいと思います。
 まず総合優勝・Laval Virtual賞を授与された水柱(北陸先端科学技術大学院大学)が開発したまじかるSPLASHを紹介します。まじかるステッキと呼ばれるものを使って自由に噴水を操作できる作品です。噴水を使ったアートはたくさんありますが、この作品のすごいところはそれを自分で操ることができる、というところにあるでしょう。
 次にMEGARS(東京大学)が開発したCOGAMEを紹介したいと思います。ざっくりいうと水道管ゲームのようなものです。プレイヤーは二人でそれぞれ手持ちのプロジェクターが映し出す道をつないで亀さんをゴールまで導くというゲームです。VRかどうかはわかりませんがコミュニケーションコンテンツとして素晴らしいと思います。
 最後に植木淳朗(慶應義塾大学)が開発したCREATUREs : Tabbyを紹介したいと思います。この作品は呼吸をするインテリアでフォルムはまりもみたいですね。実際にこのインテリアが呼吸をしているかのような錯覚を覚えます。さらにこの作品はインタラクションも実現していて、触ったり音を出し続けたりすることでだんだん明るくなったり、動きが激しくなったりするそうです。正直家に一台ほしいです。
さて3つの作品を紹介しましたが、一度第14回大会(2006)の作品をすべて見て、そのあとに第23回大会(2015)の作品を見てみてください。2015年の大会ではほとんどの作品の体験者が頭にデカくてダサいごつい装置をつけてますよね。これがHMDです。今のVRはこれがなくてはダメみたいなところがありますが過去の作品を見るとHMDを使っている作品って多くないんですよね。VR=HMDではないので当たり前なんですが・・・。この10年でVRの技術がかなり発展したのが感じるでしょうか?2015年の大会でHMDがたくさん登場しているのは、それだけHMDというデバイスが成熟してきたからでしょう。HMDは人間の五感で言うと視覚に値するデバイスです。またOculus Riftではヘッドフォンのようなデバイスもあるそうなので聴覚に値するものはあります。あとは触覚と嗅覚、味覚ですね。これらはまだ研究段階の間隔のようです。10年後これらのデバイスのデファクトスタンダードとなるものが登場するのでしょうか?楽しみですね。
Published in2016年度前期