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投稿者: baby

「Real Baby – Real Family」がACM SIGGRAPH Awardを受賞

2017年4月12日 (受賞)

神奈川工科大学 3年生による “VR赤ちゃん”「Real Baby – Real Family」が国際賞を連続受賞

神奈川工科大学の学部3年生らが開発したVR赤ちゃんプロジェクト「Real Baby – Real Family」が、2016年10月に行われた第24回国際学生対抗VRコンテスト(IVRC2016)にて100作品中唯一となる国際賞「Laval Virtual Award」を受賞した。本受賞によって招待された欧州最大規模のVRフェスティバル「Laval Virtual 2017」(フランス・ラヴァル市)において、世界最大かつ最も歴史あるCG/インタラクティブ技術の国際会議である「ACM SIGGRAPH」より「ACM SIGGRAPH Award」を受賞し、2017年7月に開催される「SIGGRAPH 2017」(アメリカ・ロサンゼルス)で展示を行う。本プロジェクトは、最先端技術が集まるセッションである「SIGGRAPH Emerging Technologies 2017」において、本年度、世界で最も早く採択が決定したプロジェクトとなった。

プレスリリース形式のPDF・画像のダウンロードはこちら

Laval Virtual 2017授賞式における「ACM SIGGRAPH Award」受賞の様子

没入感高く映像空間を体験できるバーチャルリアリティ技術(VR)は、近年エンタテイメント分野を中心に世界的に注目されています。VR赤ちゃんシミュレータ「Real Baby – Real Family」は、世界で最も歴史あるVR作品コンテスト「第24回国際学生対抗VRコンテスト(IVRC2016)」においてファイナリストとなった、神奈川工科大学の情報学部 情報メディア学科および創造工学部 ロボット・メカトロニクス学科3年生によるチーム「明るい家族計画」によって開発された学生中心のプロジェクトです。2016年10月29~30日に日本科学未来館において行われたIVRC2016決勝大会にて、応募100作品中で唯一となる国際賞「Laval Virtual Award」を受賞しました。本受賞によって招待された欧州最大規模のVRフェスティバル・第19回「Laval Virtual 2017」(2017年3月22~26日/フランス・ラヴァル市)において、17,700人の専門家向けおよび一般参加者向けの展示を行いました。さらに、240社の出展者から唯一となる賞として、世界最大かつ44年の歴史を持つCG/インタラクティブ技術の国際会議である「ACM SIGGRAPH」より「ACM SIGGRAPH Award」を受賞し、2017年7月に開催される「SIGGRAPH 2017」(アメリカ・ロサンゼルス)で展示を行うことが決定しました。本プロジェクトは、最先端技術が集まるセッションである「SIGGRAPH Emerging Technologies 2017」において、本年度、世界で最も早く採択が決定したプロジェクトとなりました。

「Real Baby – Real Family」代表写真

本プロジェクトは、学生コンテストが終了したのち、現在神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 白井暁彦准教授の指導の下、VRエンタテイメントの新しい市場を拡張する研究として基礎研究及び開発が続けられています。
ディープラーニングを使った顔画像処理により体験者自身の顔画像を元に3D空間で自身の顔の特徴を持った赤ちゃんに出会うことが可能です。この赤ちゃんはシンプルな人工知能により、泣く、笑う、見つめるなどの体験者に対する反応を示し、体験者は視覚・聴覚・触覚をフルに使い、赤ちゃんが人々に与える影響をVR空間上で短時間に体験することが可能になっています。このVRならではの体験を通して、出産や育児について前向きに考える機会を与える設計が評価されています。
国内および国際展示において得られた経験として、「VR赤ちゃん」はただの人形や映像と異なり「感情に訴える」という映像中心の既存VRから、「感情の設計」という新たな可能性を探求しており、幅広い体験者に影響を及ぼす可能性が評価されています。また日本の少子高齢化問題は世界から注目されており、出産経験のない若い情報メディア分野の学生が先端技術を使い、自らVR作品を開発して社会にアプローチしている点も評価されています。様々な国や文化圏の体験者より入手したフィードバックから、子供を産むことについてシリアスに考えづらい若者に向けた「おもしろい体験を通したシミュレーション」,「育児エンタテイメント」といったカジュアルなゲーミフィケーション効果が確認されており、近い将来、商業化が期待されています。ショッピングモールやデートスポットなどにおけるプリントシール機感覚の若者向けエンタテイメントVR体験を提供し、少子高齢化問題へアプローチするための新規サービスや商品提案・市場開拓の手がかりとなるマーケットリサーチ及び啓蒙を行うツールとして、様々な企業とコラボレーションを行い、生きたフィールドデータを取得しています。

IVRC2016決勝大会授賞式における「Laval Virtual Award」受賞

「Real Baby – Real Family」ポスター(英語版)

 

「Real Baby – Real Family」体験中、哺乳瓶からミルクをあげています。赤ちゃんが笑い、手には振動が伝わります。

「Real Baby – Real Family」ポスター(日本語版)

Laval Virtual 2017における展示の様子(縦)

Laval Virtual 2017における展示の様子(横)

投稿者: 望月 宥冶

2017年春の「Real Baby」展示情報

2017年2月23日 (展示情報)

こんにちは。望月です。

今回は2017年2〜3月の展示情報についてお知らせ致します。
IVRCよりパワーアップした展示をお送りするので、是非遊びに来てください。

Japan VR fest

日時: 2017年 2月 25日(土) 11:00~18:00 (撤収作業の都合上18:00前に体験を終了する可能性があります。)
場所: ベルサール秋葉原 2階 アキバ大好き祭内

昨年度まではOculus Festivalという名称で開催されていたイベントですが、
HTC Viveが発売されたことを受け、Japan VR festに改名されたイベントです。
都内で開催され、多くのインディーゲーム作品が集い、そのVRゲームを無料で体験することができます。
また、私たちの作品を学会以外の場所で体験できる数少ない機会となっております。是非お越し下さい。ブース38番でお待ちしております。

インタラクション2017

日時: 2017年 3月 2日(木)~4日(土) 10:00~
場所: 明治大学中野キャンパス

情報処理学会主催のシンボジウムです。
学会発表ということもあり、口頭発表や展示審査が中心ですが、インタラクション2017主催にあたり
「一般の参加者(家族連れや中高生など)の方にもインタラクション研究の最前線を体験頂く機会を提供する」
ということを視野に入れて開催されたイベントでもありますので、気兼ねなくお越しください。

3日間で異なる展示・発表を行っており、Babyの体験が行えるのは3月4日(土) 12:30~14:30 6階 ブース番号55での展示のみとなっております。
プログラムをご覧のうえ、お越しくださいますようお願い致します。

Laval Virtual 2017

日時: 2017年 3月 22日(木)~26日(土) 10:00~
場所: Laval Place de Hercé

Babyの初の国際展示になっております。欧州最大のVRイベント、Laval Virtual日本からお越しいただくことは少々困難な場所ではありますが、
このBlogを通じてイベントの様子や、現地での活動の様子を張り切ってリポートしていこうと思いますので、ご期待ください。

また、新たにポスターを制作したので、こちらも是非ご覧ください。

投稿者: 望月 宥冶

論文投稿をして…

2017年2月22日 (開発者日記)

こんにちは。望月です。

本日は、決勝大会後から取り組んでいた論文執筆について報告も兼ねて書いていきます。
論文を書く目的として、以下のようなことを考えながら取り組みました。

  • 1年かけて学んできた技術をまとめる
  • プロジェクトの今後を整理する
  • 3年生のうちから技術文章の書き方について学ぶ

実際に書こうとしてみると、どう書き出していいかわからず、
IVRCの企画書を読み返したり、別の論文を見てみたりと、技術論文を書く以前に「言語化する」というところで心苦しい思いを沢山しました。
なので、今回はこういったところから、「私が思う3年生に送る論文の書き方」と称して、初の論文執筆でなかなか書けない人や、もしかしたら卒論で苦しんでる4年生の方がこのサイトを見て、少しでも助けになれば本望です。

まず、論文の構成としては、以下のようなものが良いと思います。

  1. モチベーション
  2. 先行研究
  3. 理論
  4. 実験
  5. 結果・考察
  6. おわりに

さらに1章ずつ噛み砕いていくと、

モチベーション

初めて書くときは、モチベーションと言われてもパッとしないのに加えて、Google先生に聞いても、「導入を書く」くらいのことしか出てこないと思いますが、ここで書くべきことは「君はなぜこの研究をしたの?」と質問されたときにあなたが答える回答を書く場所で、「こういう問題を解決したかったから」、「こういう作品があったら素敵だ」ということが書ければいいと思います。私たちの論文では、おそらく技術論文に相応しくないであろう「愛」について書いてあります。

先行研究

参考にした技術や類似の先行研究を書きます。私たちの作品はIVRC発ということもあり、同じくIVRC発であるYOTAROを先行研究として書かせて頂きました。また、ここでは、「先行研究ではこうであったが、私たちの研究ではこういうことが可能である」ということを明記する必要があると思います。

理論

こちらは、学んできたことのまとめになると思います。私たちの顔画像の技術を元に説明すると、「平均顔用意→顔画像の特徴点取得→若年化モーフィング」といったようなことを分かりやすく説明できれば良いと思います。

実験・実装

こちらでは、システム構成図を元に、作成したコンテンツやアプリケーションについて説明します。私たちの作品は、Live2Dを用いた顔の表情変化について、音・画像・触覚を用いたインタラクションについての2つ要素があるため、システム構成図を2つ用意して説明しております。理論で示した内容でなにを作ったのかというところを書くところだと思います。

結果・考察

こちらでは、実験から得られた結果を提示します。今回はIVRCやHEAT 5thといった展示を通して学んだこと、アンケート結果、今後このように発展させることができるだろうというところを書いています。

おわりに

ここは要旨と同じ内容が来ると思っています。今回の論文では、今後のプロジェクトの方向性として2つの柱を立てていたため、そのプロジェクト始動時に、その足掛かりとして役に立つような、先行研究としてこの論文が載るような記述で締めくくっています。

以上、ざっくりではありますが、私が冬、春休み返上で勤めていた論文執筆の成果になります。そして、書きあげた論文は声に出して読み、読みにくいところや、内容が飛躍したところなどを補完し、ブラッシュアップを重ねる作業が大切だと思います。
また、この論文は情報処理学会シンボジウム インタラクション2017、Laval Virtual 2017 (ReVolution,VRIC)で採択されており、展示・発表が決定しています。