世界最高峰のCGの学会「SIGGRAPH」に行ってきました!

久しぶりの更新です。
7/26~8/4までアメリカに行ってきたので、その体験記を書いていきます。

 


7/30~8/3にアメリカのロサンゼルスで行われたCGの学会「SIGGRAPH 2017」に、「Real Baby – Real Family」を展示してきました。
Laval Virtual 2017に引き続き、SIGGRAPH 2017も招待展示となっており、Babyチームも全員参加です。

私たちは、学会が始まる少し前の7/26からアメリカに滞在し、時差ボケ解消に努めていました。
また、その間なにもしていなかったというわけでもなく…

ホテルのロビーで赤ちゃんをあやしたり…(開発!)

論文を執筆したり….

浅野君にe-skinを着せてみたり…(開発です!)

ホテルでe-skinを着る浅野君

VRの住人をカメラに収めたり…

論文用の図版を作成中

などと、アメリカの地でも充実した日々を過ごさせて頂きました。

7/28・29は学会の前日設営があり、会場の設営は浅野君と東田さんに任せて、私とRexさんは大日本印刷のロサンゼルス事務所へとAX2017のときに使用して、SIGGRAPHまで預かってもらっていたサイネージとプリンタを受け取りに向かいました。

行きは電車とバスで行ったですが、電車賃の$1.75でそのままバスにも乗れたため、とても安く大日本印刷へと行くことができました。
帰りはUberで会場まで戻り、サイネージを組み立てて帰宅しました。

設営前のブースの様子

7/30の展示は午後からでしたが、午前中はBirds of a Feather(BoF)という会議に出席しました。
動画とスライドはSlideShareで公開されています。

また、午後から行った展示は大盛況でした。

1日目の展示は大盛況

SIGGRAPH2017は、学会が始まると毎日のようにパーティがあり、

1日目(7/30)はTechnical Papers Fast Forward.
数十秒の英語プレゼンを聞きながら、興味のある発表を見つけなければなりません。

2日目(7/30)はカリフォルニアのサイエンスセンターでSIGGRAPHに参加する研究者たちの歓迎会。
夕飯の席で相席した学生の方と学生談義をしたあと、「Endeavour」というスペースシャトルを見ました。

友好を深める研究者たち
サイエンスセンターにあるスペースシャトル「Endeavour」

3日目はアートパーテがありましたが、私たちチームは日本コミュニティの交流会へ
美味しいワインと食事を食べながら、ネルソン・マックス先生や、DCEXPO担当者の市原様、IVRC審査員の串山先生に「Real Baby – Real Family」を紹介しました。

4日目はElectronic Theaterがありました。
Computer Animation Festivalに投稿された動画やビデオを紹介するセッションで、私は途中からの参加でしたが、世界最高のCG作品を堪能しました。
ちなみに私の中のBest1は戦争とうさぎの動画です(youtube:0:56~)。

5日目の最終日は、展示をチームメンバーに任せて、SIGGRAPHを満喫しました。
E-TechとVRvillegeを中心に回りましたが、私が一番心惹かれた作品は「NEURABLE:BRAIN-COMPUTER INTERFACE FOR VIRTUAL AND AUGMENTED REALITY」という作品で、HMD*BCIです。HMD*BCIはインタラクション2017にもありましたが、頭部に電極が来るので、使えるHMDが限られているという話を聞いたことがありますが、そういった障壁はなく、また、体験者ごとにキャリブレーションを行うので、今までのBCIものの展示より、精度が良いとのこと。
残念ながら、前日予約制で、1~4日間フルに展示していた私は体験することができませんでしたが、気になりすぎて、ずっとブースを眺めたり、展示者と話したりしていました。

HMDとBCIデバイスの融合

ブースに戻ってくると、Rexさんが取材を受けていました。

5日間の展示を通して、Real Baby – Real Familyに関するターゲットユーザの話や、取材オファーを頂きました。
体験しに来てくれた方々、SIGGRAPH展示ボランティアの皆さま、チームメンバーおよび、白井先生、SIGGRAPHに招待してくれたJeremyさん
5日間ありがとうございました!!

siggraphを無事終えることができて、大満足

【後日談】
SIGGRAPH終了後にVRScoutで「Real Baby – Real Family」が紹介され、13万再生を記録しました。
t.co/7Ts75Vzotz


(2017/08/24 追記)
5日間で合計310名の方に体験して頂く事が出来ました。
ありがとうございました。

多重化引継ぎ-後半-

こんにちは。望月 宥冶です。
前半に引き続き,2,3,4コマ目の授業の様子をお届けします.また,2コマ目からは実際にPlaycanvasを使った多重化の実装に入っていきます.3コマ使って,多重化まで実装しました.

多重化実装

JavaScript(以下 JS)とShaderで多重化を実装しました.
まずはJsとShaderに慣れるために,藤澤先輩解説のもと,板ポリに画像を表示する(JS).画像をフェードアウトさせ2枚目の画像を表示する(Shader)ということを行いました.JsやShaderを書くのが初めてのため,慣れない作業で少し時間がかかったものの,無事,フェードして次の画像を表示するプログラムを作ることができました. 制作物はこちらから見ることができます.JSの特徴として,変数の型宣言でver型を良く使うと思いますが,JS初心者にはわかりにくい場所の1つであり,他のプログラム(C,java等)だと,変数の型からこれはなにをしてる変数なのかをある程度予測することができると思いますが,ver型はそれを察することができないので,他の言語よりも使いづらさを感じました.

多重化の実装については,特許事項のため,制作した画像のみ記載しますが,今までIVRCに挑戦しながら眺めてた技術を自分でも実装できたという喜びがありました.画像は1枚目は多重化画像,2枚目は実際に動作している画像になっています.


藤澤先輩,多重化の引継ぎありがとうございました.

これで私も多重化の説明が(概要程度だが)できるようになったので、研究室の技術紹介の機会があれば、デモ展示をしていきたいと思います。

多重化引き継ぎ-前半-

こんにちは。望月 宥冶です。
今回は学部4年生の藤澤先輩指導のもと、多重化の引き継ぎを行いました。(全4コマ分)今回は1コマ目の様子をお届けします.

多重化の歴史を知る、PlayCanvasを使ってみる

多重化の歴史はScritterシリーズ(多重化第1世代~第3世代)から始まり、初期の頃は高価なプロジェクタを2台使用し、偏光レンズも2枚使用していたそうです。この頃は映像Aと映像Bがあった時、映像Cは映像Aと映像Bが混ざり合ったものが見え、偏光レンズを2枚用いて、別々の映像を見せていたそうです。
その後、偏光レンズは1枚に、プロジェクタは安価なプロジェクタでも可能なものに進化していったそうです。
ここまでがScritterの歴史で、この後はプロジェクタから3Dフラットパネルディスプレイへ、ExPixel(第4世代)へと進化していきます。そしてExField(第5世代)へと進化し、ExFieldでは3Dフラットパネルディスプレイとレンチキュラーレンズを用いて、見る角度によって映像が変化する技術です。以上の5世代までが多重化の歴史です。

ここからは1コマ目後半のPlaycanvasについて書いていきます。
PlaycanvasはUnityと似たようなゲームエンジンでWebベースで動き、インストール不要です。PlaycanvasはGMOクラウド株式会社のインターンシップにて、ワークショップのお手伝いをさせて頂いた際に少しだけ使用したことがあり、基本操作では苦労せずこなすことができました。今回のワークショップでは球にパーティクルをつけ、変化させるということを行いました。また制作物はURLで簡単に共有することができるため、記念に公開しておきます。 playcanvas制作物

まとめ

私は技術の進化というものには定石があると感じていて,多重化も例に漏れず,シンプルに,より安くといったように進化してきたように思えます.ここまで研究し尽くされてきた多重化ですが,今後どのような進化を遂げるのか,とても興味深い技術でした.また,Playcanvasでは,URLで制作物をすぐに共有できるというのがとても魅力に感じ,今までのゲームエンジンは,UnityとUnreal Engineの2強のように感じていましたが,Webベースという特性を生かし,うまくUnityやUnreal Engineと住み分けていってほしいです.

以上,1コマ目のワークショップの様子でした.