三次元空間データの新しい形?IVR展2015にて点群データについて聞いてきました。

 

こんにちは!神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 3学年の須貝孝明です。

本記事では自分がIVR展に行って、見てきたブースについて聞いたこと・感じたことをお伝えします。

 

「きもと」

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点群データビューアで見た工場の点群データ

まずお伺いしたのがこちらの「きもと」ブース。ここでは特殊なスキャナーによってスキャンされた膨大な点群データを高速でビジュアル化できるという超高速データビューアが展示されていました。この点群データの1つひとつには座標の情報と、色(RGB)の情報が含まれているので膨大なデータ量になるのですが、それをより早くビジュアル化できるというのはすごいことですね。撮影した画像の解像度のせいもあって、ただの写真のようにも見えますが、これも点群データです。拡大すると点の間隔が大きくなって、点群データであることが分かります(差分用意できませんでした)。

お話を聞いていく中で、さきほどの画像(建物はきもとの工場の点群データだそうです)のような広大な点群データがどのようにスキャンされているのか気になったので「きもと」の方に質問したところ、これらの点群データをスキャンするのに使用したスキャナーが展示されているというお話を伺ったので早速見に行きました。

 

「三徳商事」

こちらの「三徳商事」ブースでは先ほどお聞きした3Dレーザスキャナー「Z+F IMAGER 5010C」( www.san-toku.co.jp/JOHOweb/p_ZF.html )の姿がありました。ゆっくりと水平回転しながら中心の黒い部分が垂直回転しています。こうやって全方位360度の点群データをスキャンしているのですね。ちなみにこのスキャナーを開発しているのはドイツのZ+F社で三徳商事はZ+F社製品の国内正規輸入代理店ということだそうです。このスキャナーはお話によると、工場を持っている人が工場に機械が入るかどうか確かめるのに使用されたり、文化財や事件現場の空間データ保存の目的で使用されたりしているようです。

他にも、このブースではHMDを使った危険・事故体感ソフトも展示されており、セミナー内で近い研究をしていた私にはとても興味深いお話が聞けました。

 

最後に

今回これらの技術を間近で見て、近い将来、この膨大な点群データの技術がVRでの三次元空間構築や、ネットワーク間での三次元空間の高速表示・共有などに応用され、シリアスな用途だけでなく、エンターテイメントVR業界でも役立つ技術になってくれたらおもしろいなと思いました。

急ぎ足でしたが自分の見たものを説明しました。いかがだったでしょうか?うまく説明できていたか分かりませんが、今回IVR展へ行ったことはとてもいい経験になりました。

きもとの皆さん、三徳商事の皆さんご協力ありがとうございました。

須貝孝明 IVRC企画調査結果

 

 

雑ではありますが自分の考えた企画の検証調査結果のメモを記事としてまとめました。

・落下(高速で)を体験する
–既存の例としては遊園地のアトラクションのような「大掛かりな装置を使い、安全に落下するもの」が大半で、実際に落下することの無い落下体験装置はセガが特許取得している「遊戯者を空中に吊り下げ、臨場感のある映像と音響を楽しませる遊戯装置」だけだった。

www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

特開2009-233288「遊戯装置及びその制御方法」
自分が考えていたものは、仰向けから背面落下するシミュレーターだったが、IVRCの制約から人口風やヘッドマウントディスプレイなどで臨場感を演出する以上の大掛かりな仕掛けは出来ない。

・痴漢検挙シミュレーター
–痴漢冤罪を回避するシミュレーターはあったが検挙するためのシミュレーターは見つからなかった。
新規性あり?
ただとてもデリケートな題材なため実現は難しそう

・見た目だけでなく着たときのキツさ、ゆるさもわかる衣服試着
–『動的衣服シミュレーターを利用した衣服の身体的適合性の評価』という論文を発見
実用化はまだされてない?
www.jstage.jst.go.jp/article/transjtmsj/58/2/58_2_T21/_pdf
その他にも利用者を撮影、体型データを検知し試着画像を表示するという特許もあったが、実際に衣服を着ないでキツさやゆるさを体感することは技術的に難しい。

・二次元アニメーションに入ることができる
–ヘッドマウントディスプレイを用いてアニメ中のシーンを疑似体験する装置
www.kayac.com/news/2014/08/knightsofsidonia
↑例を発見。ただしこのタイプは新規性なし
自分が考えていたものは体験者がヘッドマウントディスプレイを用い、二次元キャラクターとコミュニケーションが取れ、なおかつ利用者の近くの見学者は、トゥーンレンダリ ングなどで極限まで平面化された体験者がキャラクターとコミュにケーションをとっている様子をみることができる、というもの。
こちらは技術的に難しそう。

・小説に入ることができる
–前例はないと思われる(検索結果から)
行動の活字化をリアルタイムで行うことで小説に入った感じを演出
「事実は小説よりも奇なり」・・・ということで
さらに行動を小説内の人物や世界に反映させるとなると
技術的チャレンジが必要

・無生物と会話できる(話しかけてくれる)
–ものにAI埋め込むだけでできる・・・?無生物と言うのが抽象的
新規性なし

・海に沈んでいく体験
–「海に沈む 体験」で検索したら禁ゲーっぽいのが出てきて困惑
自分の調べではそれらしきものなし 新規性あり?
ただ先に挙げた落下体験のような臨場感に加え水圧などの再現もしなければならないため
技術的に難しい
この手の装置は回転率が悪そう

・実際の街中をスケートボードやスノーボードくらいの速さで滑る
–似たものにOculusRiftをつかって一人称視点でソニックやマリオカートを楽しむというものがあった

www.inside-games.jp/article/2014/04/28/76373.html

(これらのゲームはもともと三人称視点や2D)

現実世界を再現できれば、新鮮な体験(帰り道の上り坂で加速・・・とか)ができそう
新規性(住み分け)もあり、インパクトもあるのでよさそう

・幽霊とコミュニケーションをとる
–「幽霊 コミュニケーション」で検索したらYahoo知恵袋のオカルト記事が出てきて困惑
これも抽象的
感覚としては前回のセミナーで紹介されていた「こびと-Virtual Brownies-」に近い 他の人には見えない「なにか」と自分だけがコミュニケーションをとっているという点。

今回の検証で、前回考えた多くのものが抽象的過ぎる考えであったり、大掛かりな仕掛けを使わないといけないものであったことが分かった。今回の課題を活かし、今後は自身と他者のどちらにも説得力のある企画を提案していきたい。