久しぶりの投稿です。
神奈川工科大学は創立50周年記念事業として本学での研究成果を実用化することに力を入れるために先進技術研究所という研究所を設立しました。
昨日(6/28)はその先進研のオープン記念シンポジウムが行われてパネルディスカッションに参加してきました。
パネルディスカッションでのパネリストにはすごくすごい先生方が集まりました。
- 藤嶋 昭先生 (東京理科大学学長)
- 石川 正俊先生 (東京大学教授)
- 村瀬 淳 (NTT 先端技術総合研究所長)
- 小宮 一三 (神奈川工科大学学長)
藤嶋先生は光触媒についてマスター時代から研究をしていたそうです。
今では光触媒の技術は家の壁に応用されて汚れが落ちやすい壁だったり、窓ガラスにはもちろん曇らないミラーにも使われているそうです。藤嶋先生も最近知って驚いたというのはサッカーワールドカップのブラジルのスタジアムのうちの2つにも光触媒技術が使われていたということです!!
石川先生からは次世代の研究者像を聞くことができました。
僕たちは研究の価値を創造することが必要でそのためには研究成果を発表するだけではなく、それに対する社会の評価を得て次の研究に還元していくことが大事だということを学びました。
技術は実際に活用されるべきであり、研究者は研究後の事業化のシナリオまでを想像することができるべきであるということもおっしゃられていました。
僕の場合はExPixelの技術を使って実際のコンテンツを考えるのが重要だということを再確認できました。
村瀬先生もイノベーションを起こすためには分野の違うものが手を組んで社会に必要なものを考えていかないといけないという話をしていました。例としてNTTと東レで協同開発したhitoeを紹介していました。
小宮先生は自分がNTT時代にやっていた家庭用ファクシミリの話をしていました。
小宮先生がファクシミリの第一人者ということを知らなかったので驚きでした。研究を進めていくうえでのニーズとシーズの把握が大事だということを学びました。
質問の時間では技術に対する目利きが日本では育たないがどう思いますか?という質問がありましたが、これに対してパネラーの先生方は日本は失敗を”良い”失敗と”悪い”失敗に分けずに叩くからいけないということでした。僕が思うに誰もがやってこなかったことをやるには失敗はつきものでその失敗はその人だけの経験ではなく同じ分野(他分野の可能性もある)の研究者たちにも培われるものだと思います。逆に悪い失敗というのは一回培った失敗を知っていながら何度も繰り返すということだと思います。
ちょうどサッカーワールドカップの日本代表がGL敗退で終わってしまったけどメディアやネット民が日本代表を罵っていたことがあったのでタイムリーな話題に感じました。特に優勝するといっていた本田選手に対する罵りはひどいものです。
この場合は日本代表は攻撃的サッカーを試みてGLで敗退したという事実をゲットしたのでこれはいい失敗として、次の日本代表の戦術に活かすべきだと個人的に思います。
最後に今の研究者に必要なのは基礎研究だけをやって実用的な発展をしないボーワ型でもなく、応用研究だけをやって基礎がなくてできないことがあることもあるエジソン型でもなく、基礎研究も応用研究もやって技術を実用化に持っていけるパスツール型の研究者になってほしいといっていました。
今回のシンポジウムに参加した後の僕は参加する前と何かが変わった気がします。
藤嶋先生がマスター時代にやっていたことがたくさん応用されていることに自分の今後の研究にも(頑張り次第だが)可能性があるぞ!!という気になりました。
石川先生のおっしゃっていた通りに技術を活かすコンテンツを考えていこうと思います。