卒研Web公開その2「研究の背景と目的」

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前回は、最初ということで、DOWNLOADページに、簡略化した研究要旨を公開した。

今回からは研究の中身を少しづつ、順に公開していく。

今回は研究の本題の前に、目的と背景について。
 

コンピューターゲームジャンル変容と独立性の可視化

背景

現代のゲームは表現の幅も広く,システムも大規模で開発コストも多く,ユーザーの希望は多様になってしまっている.例えば「デジタルゲームの教科書」[1]にて小山友介氏が「人月」という単位を例にして,開発コストの増加傾向について語っている.

CGG_Cost
また,最近では「Unity」[2]という無料で,手軽にゲーム開発ができるツールも登場し,2012年8月の時点で利用者が世界に100万人以上[3]とも言われている.現代ではゲーム開発が10年前よりも身近なものとなっているといえるだろう.この10年でゲーム産業は,ネットワーク接続やモバイル,ソーシャルゲーム,ARにNUIなど,様々な技術を取り入れ,さらに多様になったといえる.販売形態も,従来の店舗販売から,Web通販やダウンロード販売を利用して購入する,「オンライン形態」に移行している.(下図左は大手通販サイトAmazon,右はSonyの提供するPlaystationStoreの切り抜き)

CGG_OnMt

しかしながら,多様化するゲームタイトルに対し,ゲームプレイヤーがゲームジャンルに抱くイメージはどのように変革してきているのだろうか.本研究では,今後特色ある,新しいゲームを生み出すために必要となるであろう,ゲームプレイヤーの経年的な変化に着目している.

目的

本研究は10年前に行われた,白井暁彦が行った研究「コンピューターゲームにおける興奮度定量化(1) 主観評価を使用したゲームジャンルの分類」[4]を追従調査し,2001年と2012年現在を比較することで,ゲームプレイヤーのゲームに対する心境にどのような変化が表れているか調査することと,10年でゲームジャンルが多様化している様を明らかにすることを目的とする.

参考

[1] デジタルゲームの教科書制作委員会:デジタルゲームの教科書,ソフトバンククリエイティブ(2010).
[2]Unity Technologies社,「Unity – Game Engine」,http://unity3d.com/.
[3] 株式会社エンターブレイン,「ファミ通.com」,http://www.famitsu.com/news/201208/23020028.html.
[4]白井暁彦:コンピューターゲームにおける興奮度定量化(1) 主観評価を使用したゲームジャンルの分類,情報処理学会シンポジウム論文集,2001号,No.14,pp.33-40(2001).

 

今回はここまで!次回は先行研究について公開予定。

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