社会知デザイン

読んでて参考になりそうな事の書き連ね

2章ミクロレベルの社会知:コミュニケーションの中のすばやいインタラクション(pp11~)
ヴァーガスは、非言語的なコミュニケーションに用いられるメディアを、人体(性別・年齢・体格・皮膚の色等人間がそれぞれ持ち合わせている身体的特徴)、動作(顔の表情、身振りと胴体・頭・脚・足・腕・手の諸動作、立つ・座る・動く・静止をしているときの姿勢)、(アイコンタクトや目つき)、周辺言語(声の調子・強弱・テンポ・声量等の韻律)、沈黙(話の途切れや無視するといった態度など)、身体接触(相手に触ること、ほほえみ・うなずき・アイコンタクトなどによる触覚的刺激の代用)、対人的空間(コミュニケーションに使用する空間)、時間(割り込みのタイミングや遅刻や生体的な時間など)、色彩(壁や衣服の色)の9つに分類している。
Vargus,M.F.:Louder Than Words — An Introduction to Nonverbal Communication –, Iowa State University Press, 1986(邦訳:マジョリー・F・ヴァーガス著、石丸正訳:非言語コミュニケーション、新潮選書、1987)

2.1.2 普段よく使う基本的なコミュニケーション原理(pp13~)
日常的な会話における対人コミュニケーションでは、コミュニケーション内容の65%が、話ぶりやジェステャといった非言語的なメディアによって伝えられ、言語的なメディアで伝えられるメッセージ量の倍近いという。
表情行動の中に人間が生得的に有するとされる、悲しみ(sadness)怒り(anger)嫌悪(disgust)恐怖(fear)興味(interest)驚き(surprise)喜び(happiness)という7つの基本感情があり、これらの頭文字を取ってSADFISHと称される。

ジェスチャ:身体動作によるメッセージの表現。エクマンとフリーセンは身体動作をエンブレム(emblem)例示子(illustrator)適応子(adaptor)調整子(regulator)感情表示(affect display)に分類している。

ポスチャ:肩の上がり下がり頭の向き体の角度背筋の張り方といったポスチャ(姿勢)も様々な感情的メッセージを伝える。受容的か排他的かは体の向きなどによって第三者の参加を受け入れようとしているか否かを示す。面と向かったインタラクションは、連続的に相手をモニタでき、より形式的で業務的な関係であることを示唆。平行した向きは中立的あるいは活動的でない相互関係を示唆。また、ポスチャの一致は同意、対等、相互に好感を抱いていることを示唆。逆に不一致は、地位の不均衡があることを示唆。通常は地位の高い方は、リラックスし、相手の方を向かず、反り返ったような姿勢をとり、非対称な手足のポジションを示す。逆に地位の低い方は、改まったポスチャを示し、相手の方を向き、前傾姿勢であり、筋肉は緊張し、直立した脊椎を維持する。

空間:エドワード・ホールが提唱したプロセミックスでは、社会生活における距離の取り方が、密接距離個体距離社会距離公衆距離の4つに類別されることを示している(=パーソナルスペース)。

目標指向的な非言語行動が起きるのは、面接会場での会話のように行動者が他人から評価されるという圧力にさらされている場合、拒否・嫌悪・承認といった微妙なニュアンスを含んだ判断を伝達しようとする場合、励ます時に誇張した身振りをしたり、肩をたたいたりするといった言語表現を強調する場合等である。こうした非言語行動は、受け側に一時的な感情状態、対人的評価、話し手の性格等について推論を引き起こす。一方、毛づくろい、身体を掻くしぐさ、手をこすり合わせるといったセルフ・タッチが頻繁に行われると、不安や敵意の増大等があるかもしれないことを示唆。逆に座ってる時身体をゆすったり、足を頻繁に動かしたりすると、リラックスしていると示唆。また話しかけているときに身体動作やジェスチャが減少し 、声の調子が上ずったりすると欺瞞の指標となるという。
これに対して、相互作用の調整は、インタラクションの形式や構造面に関わるものであり、焦点のはっきりしたインタラクションと、そうでもないものに大別される。焦点のはっきりしたインタラクションは、インタラクションの参加者たちがお互いに特別の関心を払い、同じ状況に居合わせた他の人を除外して、インタラクションを遂行する対面的な関わりを指す。一方焦点のはっきりしないインタラクションは、待合室に別々に座っている人達、街を歩いている人達といった、1つの場を共有しているが互いに直接話し合うことのないような状況である。焦点のはっきりしたインタラクションでは、参加者たちの位置と体の向きを中心として形成されるF陣形ターンテーキングといった動的な特徴によってインタラクションが特徴づけられる。その逆では、通りすがりの出会いにおいて相手とぶつからないような歩行の軌道調整や、視線パターンによる相手の確認、その後のインタラクションに対する意思表示が行われる。
Kendon,A. : The F-Formation System : Spatial-Orientational Relations  in Face to Face Interaction, Man Environment Systems, Vol.6, pp291-296, 1976.

F陣形にはL字型(2者の身体方向が直交するような身体配置)、対面型(2者が対面するような身体配置)、並列型(2者が並んで同じ方向に身体を向けた身体配置)等があるらしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*